製品例
擦式手指消毒薬 (液体状、ジェル状、泡状、ワイプ等)
ボランティア
試験1週間前から抗菌剤入りの洗剤や皮膚塗布剤等の使用を控えた成人
試験時は、マスク、ゴーグル、キャップ、ガウンで保護します。
(北里環境科学センター倫理委員会の審査実施)
試験菌
Serratia marcescens ATCC 14756 (=NBRC 12648)
Staphylococcus aureus subsp. aureus ATCC 6538 (=NBRC 13276) またはATCC 33591 (MRSA)
以降、Serratia marcescens を用いた試験について記載します。
負荷物質および試験菌液濃度
負荷物質
Soybean-casein digest broth (tryptic soy broth)
菌液濃度
5.0 × 1010~1.0 × 1011 CFU/mL (遠心濃縮)
対照品
60v/v%イソプロパノール
case study
STEP
01
水温40 ± 2℃で流量約4 L/minに設定した水道水で、非抗菌石けんを用いて約30秒間手を洗い、その後約30秒間水道水流水ですすぎ、ペーパータオルで約30秒間拭いて水気を取ります。
STEP
02
試験菌液0.2 mLを両手に接種し、約30秒間で両手および指全体に塗り広げるように擦り合わせながら乾燥させます。
STEP
03
STEP02 の菌汚染後、回収液75 mLを入れた2つの滅菌袋 (または手袋) にそれぞれの手を入れ、補助者が袋の上から手指全体を約1分間マッサージして試験菌を洗い出します (ベースライン菌数)。
STEP
04
①対照品
STEP02の菌汚染後、1.5 mLの60v/v%イソプロパノールを両手に滴下して、イソプロパノールが乾燥するまで手指全体を擦りあわせます。その後 3) と同様に回収液で試験菌を洗い出します。
②擦式手指消毒薬
「1回消毒」は STEP02の菌汚染後、製品の用法に準じた量または1.5 mLの消毒薬を両手に滴下して、消毒薬が乾燥するまで手指全体を擦りあわせます。「10回消毒」は、手指汚染はせずに9回連続で消毒を行い、20分待機後、手指汚染後に1回消毒を行います。その後 STEP03 と同様に回収液で試験菌を洗い出します。
STEP
05
STEP03 または STEP04 の洗い出し液を、生理食塩液で希釈し、10倍段階希釈列を作製します。洗い出し液および希釈液の各0.1 mLをSoybean-casein digest agar(tryptic soy agar) に塗抹し、25 ± 2℃で44~52時間培養します。培養後、発育した赤色集落を形成する試験菌のみを数えて、手指付着菌数を右手または左手あたりで求めます。
STEP
06
消毒前の菌数平均値(ベースライン)と各消毒後の菌数平均値から、菌数対数減少値 (=LR: Log10 Reduction) を算出します。
STEP
07
本試験方法での判定基準は定められていません。一方、「生体消毒薬の有効性評価指針:手指衛生2023」に記載されている判定基準は、1回消毒 (5分以内) のLRが2.5を満たすこととしています。なお、10回消毒 (累積効果) においては本指針では基準は無いため、以前の指針である「生体消毒薬の有効性評価指針:手指衛生2011」を参照すると、10回消毒 (5分以内)のLRが3を満たすこととしています。
当センターでは手指衛生薬剤に限らず、手指洗浄剤や手指消毒器等にも本試験や類似試験(ASTM E1174、EN 1500)の実績がございます。
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