消毒用ワイプの拭き取りによる殺菌および殺酵母性能評価試験の方法について(EN 16615:2015)

    2023年9月情報館記事掲載

    この規格は、医療分野における消毒剤やウェットワイパーの殺菌性能および殺酵母性能を評価する試験方法です。
    この試験方法は、医療環境、学校、幼稚園、老人ホーム、職場や家庭などで使用される非多孔質表面の消毒を目的とした消毒剤またはウェットワイパーに適用されます。
    EN 13727やEN 13624の懸濁試験で有効性が認められた場合の次の段階の評価と位置付けられています。

    製品例

    消毒剤 (液剤製品)

    ウェットワイパー製品 (すぐに使える物)

    試験菌

    殺菌活性評価

    Staphylococcus aureus ATCC 6538 (=NBRC 13276)
    Pseudomonas aeruginosa ATCC 15442 (=NBRC 13736)
    Enterococcus hirae ATCC 10541 (=NBRC 113010)

    殺酵母活性評価

    Candida albicans ATCC 10231 (=NBRC 1594)

     

    負荷物質 (終濃度)

    清浄条件

    0.03% BSA

    汚濁条件

    0.3% BSA+0.3% 羊血球

     

    試験担体

    ポリウレタン加工したポリ塩化ビニルシート (20 cm × 50 cm)

     

    試験方法

    STEP
    1

    試験菌液の調製

    ①試験担体を2つ用意し、1つには5 cm角の試験エリア4箇所 (T1~T4) をマーキングして、もう1つには5 cm角の試験エリア2箇所 (Dc0:乾燥直後とDct:対照) をマーキングします。

    STEP
    2

    試験担体の準備および試験菌液の接種

    ②T1とDc0とDctの試験エリアに所定量の試験菌液を滴下します。

    STEP
    3

    試験菌液の塗布および乾燥

    ③ 試験菌液を試験エリア全体に塗り広げて、乾燥させます。T2~T4の試験エリアは汚しません。

    STEP
    4

    拭き取り操作

    ④ワイプの上に約2.5 kgの重石を置き、固定します。

    ⑤重石を押して試験エリア全体を横切るように1秒で拭き取ります。拭き取りはT1から始めます。

    ⑥同様の手順で、T4からT1に向けて拭き取った後、所定時間静置します。

    STEP
    5

    試験菌の回収

    ⑦ 所定のタイミングで、各試験エリアから試験菌を綿棒で回収し、残存する生菌数を測定します。

    STEP
    6

    試験菌数の測定

    ⑧ T1における対照の生菌数から算出される殺菌活性値が5以上 (殺酵母活性は4以上) で、かつT2~T4における生菌数の平均値が50 CFU以下で効果ありと判定します。

    当センターでは、ウエットワイパー製品の除菌性能試験評価として、(一社)日本衛生材料工業連合会が定める試験だけでなく、上記のEN 16615による試験も承っております。

     消毒剤やウエットワイパー製品の除菌性能評価をご検討の方は、是非当センターにお問合せください。

    お問い合わせ

    検査・調査のご相談、ご依頼がございましたらお気兼ねなくお問い合わせください。内容につきましては秘密保持を厳守いたします。
    なお、対応は順次行っておりますが、お問い合わせが集中した場合はご回答に数⽇を頂くことがございますので予めご了承ください。

    下記フォームにご記入ください。